中山 栄基
癌告知。生き方を ガラッと変えて 僕は生還した!
「中山さん、癌だねぇ。残念ながら」
「嘘でしょう。僕が癌になるはずはない。植物マグマを毎日摂っていますよ」
先生は「うん」と小さく頷いて机に目を落とした。
「この写真を見てごらん」
一枚の写真を目の前に広げた。ピンク色の肉のなかに口内炎によく似た白い部分があった。
「これが胃壁にできた癌だ」
黙って見つめるしかなかった。
びっくりするような神意が降りた。
1、無になれますか?
2、自分本位の生活ができますか?
3、一人になって生きていくことができますか?
宮司さんと話しながら、具体的には何をすればいいのか聞いた。
まず生活に必要な二、三のもの以外すべて捨てなさい。他人に影響されないよう、自分本位の生き方をしなさい。ひとりで暮らしなさい。自分のことは自分でする。買い物、食事、家事など、すべてひとりやりなさい。それができますかと問われた。
あれもこれも一切棄てた。
からだと心を自然のバランスに委ね、
素(す)になった。それが生還した理由だった。