タスマニアの光の中で
「本当の自分」を探す旅
なかむら・ひとみ

タスマニアの光の中で

発行年月日:1997/12/15
サイズ:四六版上製
ページ数:244
コード: ISBN4-938939-07-X
定価:(本体1,200円+税)

”──古いシナリオからパッと手をはなしたとたん、ワープしたみたいにタスマニアで生きている。そして何ごともなかったみたいに、ろくろを引いている──”地球を半周してやっと見つけた「本当の自分」とは?

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本書の内容

◆プロローグ◆

タスマニアの光のダンス

目をさますとそこは一面ほんのりとローズピンクの光につつまれている。なんて美しいのかしら・・・・きっと私はまだ夢を見ているのだろうと思った。
でも、夢ではない。もう一度目をあけると、それは太陽が顔を出すいっとき前、太陽の光が空一面をピンク色に染めていた。その光が私のベッドルームを照らし出していたのだ。太陽がこうして毎日昇ってきていることを忘れかけていた私は、心底おどろいてしまった。そのまま海の向こう側の山を見ていると少しずつ少しずつあたりは水色にあけてくる。そうして朝日はひょいと顔を出し、世界を光でつつむのだ。

この光を毎日くりかえし見ていると、なんだか心の中まで、ほうっとあたたかくなってくる。太陽の光からは、とても高い音が聞こえてくる。すると木々や鳥や海が楽しそうに活動をはじめる。家のリビングから見える朝焼けここは、夢の国ではない。オーストラリアの南のはじにあるハートの形をした島・タスマニアの私の家から毎朝見ている光景だ。夜になると海の向こうから、今度は月が昇ってくる。月と太陽は、まるで朝と夜を半分に分けて光のダンスを見せてくれているようだ。月の白い光が海に美しい銀色の道をつくっている。月の光はキラキラと海の上を照らし出し、ときどきそこで船が光とたわむれている。夜は月の光がシンフォニーを奏でている。そのサウンドはとても内省的だ。人間のつくった音楽をきくのもステキだけれども生の自然の奏でる音を直接聞くのは、もっと楽しいことかもしれない。私の内にある音楽が、月の光の音楽と共鳴して踊りを踊りたくなるのだ。するととても創造的になって私が光の中へ入っていってしまう。すると光たちは大変よろこんでいろいろなステップを教えてくれる。

◆第1章 日本で・・・・◆

5「誰でも空を飛べるようになる日がくるわよ」
ある日、私の家での展示会にフラリと足立幸子さんという人がやってきた。
この人は、絵をかいたり焼き物をつくったりしていた。この人はフイッと私の顔を見て、「あなたも私と同じね」といった。「え?何が?」そのあと、この人が私の家でやってみせたことは、目をみはるようなことばかりだった。
まず、その人の友人が、「ねえねえ、いま、私はどのくらいのレベルになった?」と彼女にたずねた。すると幸子さんは、紙とペンをとりだし何かブッブッいいながら、ヘンな記号をサラサラッて書いてから、「ウーン、第三段階と二つ」と答えていた。「何?それ?」すると、彼女はまた、絵をかいて説明しはじめた。

足立さんが書いてくれた絵

中心部分がスーパーコンピューター。
ここには全ての人の情報がインプットされている。彼女が、シーター波にするとこの「おおもと」とつながりどんな情報も得られる。
たましいのレベルがあがるにしたがい、このラインが太くなるので、よけいにたくさんの情報をえることができると足立さんはいった。

「私たちすべての人間はこのまん中にいる太陽のようなものとつながっていて、ここにはすべての人の情報がインプットされているのよ。私は意識をシーター波にあげて、そのおおもとのスーパーコンピューターのところまで行って聞いてくるのよ。私たちは全員、たましいのお勉強を毎日しているのよ。これは通信簿ということね」「え?じゃあ、どうしたらそのレベルはあがるの?」「本音で生きることよ。これからすべての人が本音で生きる時代がくるのよ。その時はね、もう、食べ物もいらないのよ」「いやだ。私は食べるのは大好き」と心の中で思った。

そして、集まった人たちにいろいろのアクセサリーを出させて、またサラサラッとしぎなマークをかいてその上にのせてしばらくすると、その銀の指輪や金のネックレスなどがどんどん光りはじめるのだ。「え!?この人は、さっき私にもすぐできるとか、いったよね?」「うそだろ、できるわけないじゃないか」やり方まで彼女は教えた。まず、ポカンとするのだそうだ。そして、何かをたずねて、またわすれる。すると、そのうち、手が勝手にマークをかいて教えてくれるのだそうだ。こっくりさんというのを子供の頃にやって、やたら当たるので、これは便利だとよくやっていたけど、誰かがタタリにあうゾ、とかいって禁止になったことがある。あれとは、ちがうのかしら?キツネつきとかとは?

こんなことがあったのはいまから十年くらい前のことだ。この人の名前を聞いたことのある人は、いまやたくさんいるにちがいない。幸子さんは、まるで、ナタで切るように、スパッと人を切るようだった。ものすごくむずかしい宿題を出してから、パッと風のように去ったのだ。

知っている人の中でいちばんキッパリしてかっこよかったのが足立幸子さんだと思う。その友人のあらきさんもすごい人物だと思う。それから、私は、本当に練習をはじめた。でも、頭の悪い私はなんとそれから八年もたってやっと、パッとできるようになった。幸子さんのお兄さんの足立育朗氏は、もっともっと練習し、さらに高度な宇宙の物理学をスーパーコンピューターにたずね、本を書いている。ものすごくむずかしいので私には理解できないが、なんとなくすばらしい本だと私は思っている。

その本は「波動の法則」という本だ。この中には、さらにくわしく幸子さんのやり方がかいてあるので興味のある方はぜひ読んでいただきたい。

私は、いまでも彼女が私に教えたことを人に伝えて歩いているので、いわば彼女の弟子の一人だと思っている。彼女のいった言葉でいちばん気にいったのは、「そのうち、誰もが宇宙と同調し、誰もが、ニューエイジになり、誰もが空を飛べるようになる日がくるわよ」というヤツだ。これは絶対に本当だ。本当じゃなくちゃダメなんだヨ。だって、私は知っているんだから。昔飛んでいたんだから。ちょっと私の行きたい世界をかすったじゃない。しめしめ、ちょっとだけ行き方がわかったじゃないか。シーター波ね。

シーター波、それにして、そのまま、帰んなきゃいいじゃない。私は、一人でミニチュアのわくわくランドにいるのにあきちゃった。全部、そうなってほしいのだ。みんな、フワフワ、空を飛んで、くるりと、でんぐり返っちゃったり、小さくなっていい香りでいっぱいの花の中でお茶を飲んだりするのだ。

一人じゃつまんないから、もちろん私のたましいの片割れさんといっしょにだ。ところが、そう思ってから何年間も、私は一人きりのまんまだった。

著者略歴

なかむら・ひとみ

タスマニアの光の中で
陶芸家。

兵庫県姫路市生まれ。幼少時代を横浜、川崎で過ごす。川崎高校から文化女子大学陶器科へ。
陶芸に魅かれ、沖縄の国吉清尚氏に師事。その後、武蔵野美術大学で一年間学ぶ。
国展入選二度。ヨガ、気功、瞑想、ヒーリングなど精神世界に没頭したことも、その作風、生き方に影響を与えている。
タスマニア在住。