発行年月日:1996/12/5
サイズ:四六版上製
ページ数:237
コード: ISBN4-938939-01-0
定価:(本体1,553円+税)
時代を癒す特効薬があるわけではない。状況が変われば、再び古き良き時代が来るとも見えない。こうした時代相の下では、畢竟つきるところは人も企業もあの普遍的原理に回帰するしかないのだ!
船井総合研究所HP → http://www.funaisoken.co.jp/
本書の内容
●第3章 いま、「エゴ」から「エヴァ」へ移行中●
上手な生き方は「自然の摂理」に合わせ、一体化すること
正しい生き方は、自然の摂理に従うことです。自然の摂理に従うと、すべてがうまくいくようになります。自然には、競争はほとんどありません。共生しています。そして調和し、一体化しています。複雑ではなく単純で、相似象になっています。フラクタルです。
宇宙も、われわれの体も、原子の世界も、同じ構造を持っています。循環し、ゆらぎながら、生成発展しています。そのような自然の摂理に従うと、上手に生きられるし経営もうまくいきます。
資本主義はマクロにみると自然の摂理に反しています。根元的な視点に立てば自分が何よりも大切だ、基本的には自分だけよければいいというエゴの発想は、世界を潰すことがわかります。いままでは大半の人が、自分だけ、目先だけ、お金だけと考えてきましたが、現在は変化が見えてきました。
これから人々の求めるものが変わりそうです。たぶん共生、愛、節約、公開、エコロジー、アナログ、本物、一体、調和、などの志向が高まってくるでしょう。いま一体化の動きが出てきましたが、これも大きな変化です。
右脳と左脳を一体化しようというのも、こうした一体化現象の一つです。たとえば、目先と将来の一体化、競争と協調の一体化、競争と共生の一体化、エコロジーとエコノミーの一体化、本音とたてまえの一体化などが、いまの一つの社会現象として挙げられます。
最終的には、これまでは絶対に一体化が無理だと考えられていた、善と悪、敵と味方、プラス発想とマイナス発想など、相反し、敵対化していたことすべてを一体化するようになるでしょう。いろいろなことが変化していくと思います。
たぶん一体化することによって、悪は善に、敵は味方に、マイナスはプラスに包みこまれ淘汰されていくでしょう。また男と女、右脳と左脳のように、異なるけれど対等であるといったものは、その共通の概念に統合され普遍化されると思います。
私たちの生活自体も一体化することで、さらに楽しく生きられるようになります。たとえば趣味と仕事と遊びを一体化する。そして優れた人ほど行動と言葉、言行が一体化していくでしょう。本音とたてまえも一体化します。心と体も一体化するでしょう。これからの生き方のコツこそ、一体化にありそうです。
著者略歴
船井幸雄(ふない・ゆきお)
1933年大阪府に生まれる。
京都大学農林経済学科卒業。
産業心理研究所、日本マネジメント協会を経て、1970年、日本マーケティングセンターを設立。1985年社名を船井総合研究所に変更。現在二百数十人の経営コンサルタントを擁する経営コンサルタント会社である同社の会長兼経営コンサルタントとして活躍中。