混迷の星
「転換点」に向けて人間の意識が変わっていく!
小松英星

混迷の星

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発行年月日:1999/7/10
サイズ:四六版上製
ページ数:184
コード: ISBN4-938939-14-2
定価:(本体1,600円+税)

いま地球はどの方向に進んでいるのか。環境、景気、核、教育、食料など、”このままではもうやっていけない”地球の状況を検証しながら、その突破口として「ガイア・アセンション」を語る。時代の風を先取りした驚くべき視点!

目次

 [第1章]  愛なき地球温暖化対策
 [第2章]  「景気」はタスマニア・タイガー(1)
 [第3章]  「景気」はタスマニア・タイガー(2)
 [第4章]  社会の罪
 [第5章]  アメリカはどこへ行く?
 [第6章]  「核」のパラドックス
 [第7章]  アジアの受難
 [第8章]  飽食のなかの食糧危機
 [第9章]  グローバリゼーションの陥穽
 [第10章] プラネタリー・クリーニング
 [第11章] アセンションへの道

はじめに

いま、時代は、「巨大な転換点」に向けて「急加速」しています。その一方、数多い地球の生命のなかで人類だけが、自然との調和を実現できず、気づかぬまま本流から外れて、ますます混迷を深めているようにみえます。この動きを、あなたは漠然とでも、感じられるでしょうか。

この日本で、あるいは世界で、「時代の歩み」が順調だと思う人は、ほとんどいないのではないでしょうか。政治、経済、国際関係、企業経営、環境・食糧・健康・福祉、そして教育。

次々とあの手この手が創案され、実行されていますが、やればやるほど「泥沼」にはまっていくようです。それは、手段の是非よりも、手段に移る前の、基本認識に狂いがあるからです。その狂いを引き起こしている原因の一つは、人類がこれまで慣れ親しんできたやり方、つまりあらゆるものを細分化して、小さい区切りの中で思い思いに目的を追求するという手法です。実際には、私たちの現実は、すべてのものが相互につながって、一つの巨大な「全体」を造っています。

それをきちんと見るには、視点を、すべてを見渡せる位置まで高く上げる必要があります。そして、決して「個別」にとらわれず、しかしそれらを無視せずに、「つながり」の部分を仔細に点検すると、個別と全体との「連関」が浮かび上がってきます。

狂いを引き起こしているもう一つの要因は、正しく時代を読んでいないことです。未来で意味をもつ重要な出来事のほとんどは、既に起こっています。

特に人類の意識の変容は、20年以上前からじわじわと進行していますが、この数年間は急速にそのピッチを上げて、古いパラダイムを崩壊させつつあります。これについても、視点を十分に高くすれば、時代の流れの大きさと方向を感じることができます。

このように、視点を「宇宙のレベル」まで高くして、人類の実相を観察した結果、本書が生まれました。そして、地球の現状に最もふさわしい言葉として、「混迷の星」を選びました。それは、「前提」が急速に変わりつつあるのに、依然として古いパラダイムの実在を信じて、旧来の手法を飽きもせず適用しようとしていること――そこから混迷が起こっているのです。しかし、その混迷のなかにも、かすかな「曙光」があり、人類の未来は決して悲観すべきものではありません。「新生地球」のための、「生みの苦しみ」はある程度避けられないとしても――

いまは、人類の「完全な覚醒」への過渡期です。これまでの「分離劇」はまもなく幕を引き、「宇宙大祭」に引き継がれるはずです。

第11章アセンションへの道

「神」についての、もっと「自然」で「科学的」な説明は次の通りです。この宇宙で、すべての「被創造物」の頂点に「創造神」とも呼ぶべき「神」が一つだけ存在する。そして、それに連なる無数の階層構造の上部に、「神」の僕<しもべ>とも呼ぶべき「神々」が存在し、それぞれの役割を果たしている。時に、「神々」の中から、キリスト、釈迦またはマホメッドのような存在が、「高次元の使徒」として星々に派遣されることがある。人類を含むすべての「被創造物」は、「神」の「分け魂」であり、「神」は、すべての「被創造物」の体験を同時に「体験」し、それによって自らも「進化」する。この意味で「人」もまた「神」である。

――ここでの階層または次元は、「波動のレベル」あるいは「愛のレベル」の違いと言ってよいでしょう。また、「高次元の使徒」の教えを、後継者たちが歪曲し自己の利益のために利用してきたことや、「自分の神」以外の「神々」を排斥してきたことは、「神々」の責任ではありません。人々が「信仰」の対象を取り違えてきたことも、「神々」の責任ではありません。さて、これからの地球で、あらゆる既存のものを決定的に変えてしまう出来事が、「アセンション」です。それは目前に迫っていますが、上記でお分かりのように、これについての真正の情報が、政府やマスメディアから与えられることは、決してないでしょう。

一方、本書の第1章「愛なき地球温暖化対策」から、第10章「プラネタリー・クリーニング」まで、人類と地球の現状は、まるで救いがないように見えると思います。確かに、人類は現状を修復する手段を持っていないし、時間もありません。修復する前に「現実の崩壊」が始まるでしょう。それにもかかわらず「人類は黄金時代を迎える」、と言うと驚かれるでしょうか。推理小説の結末部分の「大どんでん返し」のような出来事、それが「アセンション」です。

「アセンション」については、イエス・キリスト個人のアセンション(昇天)がよく知らていますが、今回の「アセンション」は、宇宙の巨大なサイクルの一環として、太陽系と近隣宇宙全体が関係する出来事です。地球に関しては、地球自体と、地球の全生命が相前後して、高次元の波動レベルへ「アセンド(上昇)」します。この意味で、「ガイア・アセンション」という言葉も使います。「アセンション」の達成とは、「神」であり「創造」そのものである「本来の自分」に戻ることです。「完全な覚醒」です。これまでの「コントロール劇」「分離劇」は終焉し、すべての人が、完全な自由を獲得するとともに、「魂」と「物理的現実(肉体)」が融合して、事実上永遠の生命を得ます。その前提としての、RNA/DNAの変容は、なかば自動的に行われます。人類は、思考によって自由な創造を楽しみ、無条件の愛と奉仕を基本とする新しい文明を築きます。

―これだけのことが、わずか一つの人生で実現できるとすれば、これまでの「苦労」も報われようというものです。実際、個人にとっても社会にとっても、たとえ外面がどのように見えても、無駄なことは一つもなく、すべてが、そのために必要なプロセスだったのです。

著者略歴

小松英星(こまつ・えいせい)

1935年、高知県生まれ。
1960年、東京大学経済学部卒業。
日立製作所で、主に重電およびコンピュータ部門の経理・経営管理を担当。 この間、カリフォルニア大学バークレー校の経営管理大学院に留学。

1988年、SN(Science of Nature)研究所を設立。情報および環境分野のコンサルティングとともに地球の新時代に向けた啓蒙活動を行っている。