発行年月日：1999/11/25
サイズ：四六版上製
ページ数：200
コード： ISBN4-938939-17-7
定価：（本体1,200円＋税）
第1章 時計・宝飾品編
◆ロレックス-ROLEX 18239A・18346A
コンビニで買物する若者はパテックよりもロレックス派。ホワイトのムクとプラチナのムクのロレッ
クスです。番号の若いほうがホワイトです。売りは148万と298万。定価はプラチナ600万しま
す。預かりは100と220万でした。定価に比べて値安感があるのは高額商品だからです。程度はど
っちもいいですよ。定価設定が高いといっても、ショパールやピアジェほどじゃない。まあまあ。そこ
はやっぱりロレックスなんですよ。
◆テイタスの意味がある
ロレックスは宝飾とスタンダード、あと三列ベルトのスポーツに分けられます。ステイタスって意味
ありますね。時計なんてなんでもいいって時代は過ぎたんじゃないかな。スポーツ系については、ほん らいアウトドアですが、スーツにダイバーはめてる人、けっこういます。これも時代感覚でしょう。
ここにあるようなのは金持ち向きでしょう。プラチナのムクなんかなかなか出ないから、待ってる人 がいます。右から左に売れてきますよ。ホワイトのほうもいまは、ホワイトのブームだから値は昔より いい。昔なら100万ちょっとで手に入りました。プラチナのほうは変わらない。
◆対抗するメーカーはありません
ロレックスに対抗するメーカーはない。けっこう独創的なんですよ。客層は広い。コンビニで買物する若い人なんかも、パテックってほど時計好きじゃないし、ピアジェは知らない。やっぱりロレックス なんですよ。時間はね、この時計正確とは言えないけど。
◆値段は安いとは言えない
値段については安いとは言えない。オメガあたりなら10万以下のステンでも、ロレックスなら30
万、40万がザラです。でも、手に入らない価格じゃない。ロレックスの魅力のひとつですよ。価格そ のものもしっかりしている。広告用に9万8千円のオメガは用意できても、ロレックスはむずかしい。 ディスカウントはしてるけど、値は固い。
◆369は人気があります
エクスプローラー風の文字盤、369、ですね、これは人気ありますよ。一般に文字盤は描き換える
と値段は下がります。リダンってやつです。改造になるわけです。でも、日本ロレックスで文字盤を交換したばあいはべつです。黒とか、369とか、シェルとかです。リファレンスが合えばいいわけですよ。値段は下がらない。
◆16233コンビは30万
たとえば16233のコンビは新品のばあいは、30万で預かります。いまは、です。これが相場で
すが、もちろん相場は動く。ただロレックスには相場があって、けっこうそれが固いということが言い たい。持込む先で値段が変わるのはエト(文字盤)変わりのロレックスです。文字盤を交換したものということですね。これは持込む 先で、買値も売値も変わります。いま、プレミアムがついてるのはエクスプローラーIIの旧型です。二十年も経ってないけど、人気はスゴイ。これはこれで不思議とデザインが完結してる。そのくせいまのエクスプローラーとは別ものみたいにちがう。新しいII型はほかのス ポーツタイプと似てる。旧型だけが孤立してる。
◆旧のII型なら60万で預かれる
デイトナも人気あります。昔の手巻なんか高い。あと、ミルガウスとか。針が稲妻の形になってるやつですね。生産が終わっちゃってるんです。旧のII型はいま、60万で預かれます。ミルガウスも似た
ような値段が出る。
◆贋もあるダブルネーム
気をつけなきゃいけないのが、ダブルネームです。ティファニーとかカルティエとか。いまもありま
す。でも、文字盤にちょっと書き込むだけで作れるから真贋がむずかしい。保証書があってリファレン スがシリアルのナンバーと合えば大丈夫です。不安なら時計のナンバーを読んで、ティファニーとかカ ルティエへ問い合せればいい。それではっきりします。
◆英国デニソン製ケースがある
アンティークと言えば改造です。故障しても古い型だと、日本 ロレックスは受取ってくれない。だから故障すると合うパーツを探してきてはめる。これで改造になる。アンティークだとケースの贋も目立 つ。ただ、ロレックスには英国デニソン製のケースってのがある。これはほんものです。チェリー二の クォーツ。金ケースで革ベルトのもの、預かりは12万です。ロレックスのクォーツは人気ない。
ベイシックのモデルのクォーツも10万でいっぱい。売れないんですよ、アレ。コンビもあるけど、 定価の一、二割で預かるのがいっぱいです。女ものも三列バンドで369とかシェルとか人気あります。 ピンクの文字盤も。預かりはメンズと変わりません。
◆珍品ベトナムロレックス
ロレックスと言えば、まずコピーという言葉が思い出される。それくらい多種多彩なコピーが売られ
ているわけだ。一年ほど前に流行ったの がベトナムロレックス。これはコピーというより、ロレック ス風だが、なぜか機械はほんものだというフレコミであった。なんでもベトナム戦争後に残されたけっ こうな量のロレックスのうち、ゴールドのケースのものはケースだけ潰されたんだそうな。残されたの が裸のムーブメント。これを適当に合うケースへおさめたのがベトナムロレックスである。機械は古いし、機械にも立派な刻印があった。ただし、真贋のほどはわからない。人気はあった。ベトナム現地での価格は1万円也。
◆裏スケルトンの新顔
焼肉屋でアルバイトをしているミャンマーのオッサン、首からゴールドインなどぶら下げて姿を見せ
た。腕には革ベルトのロレックス。オリス風のケースに入ったなかなかのデザインであるなんだ、ロレ ックスか、見せて、と言うと褐色の太い腕から外して見せてくれた。チェ リー二の文字があるしかし、 なんとなくヘンだ。第一に裏がスケルトンになっていて機械が見えるもちろん、機械にも立派な刻印が 打ってある。オッサンは満足そうだ大丈夫だ、保証書が付いているといういよいよ怪しい。そこでまず ベルトを調べた。尾錠もちがうが、ベルトのデキもちがう。ベルトの革にSWISSmadeの刻印も ない。そこで十二時の王冠マークをよく見ると、ほんものよりわずかに縦長であった。まちがいのない コピーということだ。
◆デイトナは黒文字盤が人気
ロレックスデイトナ。コンビのデイトナ、箱、保証書、サイズ直しのコマなし、で60万弱の預かり
である。定価は88万円のもの。文字盤はブラック。これはいま、人気がある。売値は79万8千円。 では、エクスプローラーではどうか。スマップの人気者がテレビドラマの中で使用し、人気の上がった タイプだ。定価は34万円。これは程度がいいと、ブラックダイヤルで預かり30万までいく。売値は 定価を越えて、39万8千円。なんでも生産数がもともと少ないものらしく、ブームが終わっても程度 のいいものなら、25万の預かりは保証できるらしい。査定のランクについては、新品、新品同様だが 小さなキズがある、大きめのキズもあるが程度はいい、小さいキズが目立つ、大きなキズが数カ所ある、となる。
◆ホールマークに注目
金ケースのロレックスを見ても金とは書いてない。だいたい裏ぶたに、750、とか、K18とか刻
印が打ってあるものだけど、これがない。あるのはホールマークと言われるもの。針の穴とは言わない がかなり小さい。形は楕円形をしている。大きさは1ミリもないだろう。どこかにぶつけて出来た凹み のようにも見える。よく見ると人間の顔のようなものが凸版で押されているのだが、これはルーペを使 わないと確認できない。贋のホールマークというのもあり、こっちは凹版になっている。なんでもない マークだが、これがゴールドの証である。もちろん裏ぶた開ければ、金の表示はある。しかし、ロレッ クスは専用の工具がないとふたは開かない。さほど気にする必要はないが、ステンと思って買った時計 がゴールドだったということはありそうだ。
著者略歴
大氣舎（たいきしゃ）
「どうすれば街で快適に暮らせるのか？」
簡単そうでむずかしいこの答えを、身近な本や食品、家、道具、仕事なんかの中に探ろうと、日夜あの街、この街とほっつき歩いている編集者集団。
