どんな時代が来るのか
2012年アセンション・マニュアル

どんな時代が来るのか

(The Mystery of 2012  PREDICTIONS, PROPHECIES & POSSIBILITIES)

私たちは今、新たなパラダイム・シフトの入口に立っている。
天動説から地動説へのシフトに匹敵する大転換である。
多くの人が目覚めつつある。

覚醒された人びとの出現は、過去に例のない進化の基礎を築くだろう。
さて、あなたはどんな道を選択するのだろう?

世界のトップ知性13人が分析した明日の世界!

著者:タミ・サイモン
訳者:菅靖彦・田中淳一・堤康一郎
発行年月日:2011年4月
コード:ISBN978-4-938939-64-9
四六判並製 288ページ

定価(本体1,800円+税)

本書の構成

イントロダクション (タミ・サイモン)
第1章 岐路に立つ人類2012年 (グレッグ・ブレイデン)
第2章 知性の進化の終着点(ピーター・ラッセル)
第3章 マヤン・ファクター(ホゼ・アグエイアス)
第4章 九つの地下世界、拡大する意識のレベル(カール・ヨハン・コールマン)
第5章 新しいビジネスと政治(コリン・マクローリン)
第6章 半透明の革命(アルジュナ・アルダフ)
第7章 聖書の暗号(ローレンス・E・ジョセフ)
第8章 女神の復活(クリスティン・ペイジ)
第9章 新人類の出現(ジェフ・ストレイ)
第10章 蛇はいかにして脱皮するか(ダニエル・ピンチベック)
第11章 宇宙的人間の誕生(バーバラ・マークス・ハバード)
第12章 大いなる転換(ジョアンナ・メイシー)
第13章 あなたはまさにこの時期を選んで生まれてきた(ジェームス・オーディア
翻訳者あとがき(菅 靖彦)

本書の内容

半透明の革命の三つのシナリオ

一番目のシナリオは、人々が深刻に受け止めているもので、人類の絶滅の可能性である。

このシナリオでは、あちこちにいる原理主義者たちが最終的にみんな自制心を失ってしまい、やみくもに爆弾を投下する。それによって人類だけではなく、すべての生き物が死滅するのだ。そんなことは起こりそうにないようにも思えるが、その可能性を完全に払拭することはできない。生命はつねに自らバランスを取ろうとするのだ。

二番目のシナリオは、私が「極限の危機」と呼んでいるものだ。地球温暖化による気候パターンの変化、石油の枯渇、極端な経済格差などが社会組織の崩壊を引き起こし、人類は生き延びるものの、苦難の時期を通り抜けなければならないというシナリオだ。

三番目のシナリオは、私が「奇跡」と呼んでいるものである。何らかの聖なる力の介入により、すべての人々がまたたくまに真の目覚めを体験するというシナリオだ。ほとんど一夜にして、世界中が石油を燃やすことから代替エネルギーを使う方向へ転換する。原理主義者たちは戦争に明け暮れるのをやめる。その過程で解放されるエネルギーや創造性によって、人類はオゾン層を修復し、地球温暖化をストップさせる。その結果、誰もが不安から解放されて深呼吸するというわけだ。このシナリオは、ほとんどの人々にとって滑稽なほど楽天的に聞こえるだろう。人間の意識を超える何かの介入がなければとても無理な話だ。

悟りの体験

形あるものから形のないもの――コンテンツ(内容)からコンテキスト(文脈)――へとアイデンティティをシフトさせた人間は、いつの時代にもあちこちに存在していた。たとえば、2千500年前にシッダルタという王子がいた。シッダルタは何年もの間、あらゆる苦行を行ったが、最終的に苦行にうんざりしてしまった。ある日、彼は近くの木の下に坐った。たまたまそれは菩提樹の木だった。その夜ずっと、さまざまな幻覚や幻聴に悩まされた。奇抜な性的妄想や莫大な富と権力に対する誘惑、さらにはとてつもない恐怖に襲われたのだ。それでもシッダルタはしっかりと正気を保ち、それらはすべて心が生み出した産物であることを見抜いた。朝になって太陽が昇ってきたとき、彼は単純な悟りを得た。あらゆる思考、記憶、欲望、恐怖は、ただの心の遊戯であり営みであることを悟ったのだ。言い換えるなら、すべては根本的に実体がないということである。彼は自らに問うた。「心が形づくるものへの執着から自由になった後には、何が残るのだろう」と。そして自分の本性は形のない空っぽの意識だということに気づいた。英語ではそれを「awareness(アウェアネス)」と呼ぶが、彼のお国言葉では、ブダ(budh)と呼ぶ。その日以来、シッダルタはブダあるいはブッダ(Buddha〈目覚めた人〉)と呼ばれるようになった。その後、修行仲間がいるサルナートに戻ったとき、仲間たちは彼の顔が喜びに満ちて光り輝いているのに気づいて、「おい、お前に何が起こったんだい?」と訊ねた。「光り輝いているじゃないか! 新しい修行法か、新しい師でも見つけたのか? 何をしたんだ?」「何もしなかったんです」とシッダルタは答えたという。美しい返答だった。何も変わらなかったし、改善されたこともなかった。ただ、どんな変化よりも深い真実の認識があった。

ブッダが菩提樹の木の下で悟りを得たときと同じように、直接的に悟りの体験をする人々が世界中で急増している。真の私はビルやシンシアやロバートではなく、ブダ、すなわち「アウェアネス」「純粋意識」「永遠なる実在」であるということを悟る人間が増えているのだ。悟りの体験はスナップショットのように一瞬にして訪れるかもしれないが、その後、家賃を支払わなければならないというプレッシャーによって曇らされてしまうかもしれない。あるいはもっと持続するものとして訪れることもあるだろうし、日々の生活の骨組みになることもあるだろう。だが突き詰めれば、そうした違いは重要なことではない。一度でも真理を垣間見ることができれば、分離の幻想によるゲームに終止符が打たれるのだ。すると、心の中で繰り広げられる魅惑的な物語に対する、尽きることのない執着から自由になり、今この瞬間に
存在するチャンスが訪れる。

ワンネス・ブレッシング

ワンネス・ブレッシングの考えは、個人の目覚めが神経系統の働きに大きく左右されるという事実をベースにしている。人は自分自身であらゆる種類の霊的洞察を得ることができるが、脳内の神経作用のバランスに裏打ちされなければ、長くは続かない。ワンネス・ブレッシングは、脳内の活動のバランスを整え、努力しなくても自発的に目覚めることを可能にするのである。

ワンネス・ブレッシングの注目すべき点は、神経学的な働きの変化だけではなく、それに関連する主観的な現実体験の変化も、一瞬の出来事として起こるということである。しかも、その効果はしだいに蓄積されていく。予備的研究によれば、たった1回のワンネス・ブレッシングでも、頭頂葉の活動が著しく減少し、前頭葉の活動が活発になることが示されている。1週間経ってもこれらの効果は完全に消えることはなく、さらにワンネス・ブッレシングを行うと、脳内の変化は安定する。ワンネス・ブレッシングを何度も繰り返し行えば、脳は健康でバランスのとれた状態を取り戻し、その状態に留まるといわれている。

2004年に地球規模で広がりはじめて以来、何百万人もの人々がワンネス・ブレッシングを受けた。今では、脳の機能が変化し、安定した人が何千人もおり、その数は急速に増えている。これらはすべて、偶然の成り行きによって起こっているのではない。ワンネス・ユニバーシティはもともと、現在、シュリ・アンマ、シュリ・バガヴァンとして知られている二人の学校教師によって創設された。彼らは、この現象が世界中からやってきた何千人もの人々に共有されるようになるというヴィジョンを持っていた。この先、ワンネス・ブレッシングがさらに世界中に広がれば、「ティッピング・ポイント」に達すると彼らは予測している。つまり、多くの人が「一体性に目覚め」、人類全体の「覚醒」の触媒になるということだ。しかも、それが数十年後ではなく数年後に起こると彼らは予測しているのだ。では、人類の集合意識が「分離」から「ワンネス(一体性)」にシフトする日はいつだろう? 2012年である。

半透明の革命 アルジュナ・アルダフより