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   風雲斎のひとりごと No.18 (2009.3.24)
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す。よろしくご一瞥下さい。
なお、ご不要の方はお手数ですが、その旨ご一報下さい。
送信リストからはずします。

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水の伝道師たち
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ここ半年ほど、水、水、水、「水」に取りつかれていた。
きっかけは、水の博士・増川いづみさんと出会ったこと。
初めて会ったときから増川さんは、
「水はおもしろいよ。水はすごいよ。水は高度な知性なのよ」
とおっしゃった。
その極めつけが、
「水は知的生命体なのよ」
「水には意思があるのよ」
だった。
彼女は若くしてアメリカに渡り、ミシガン大学で博士号(栄養学・工学)
をとり、MIT(マサチューセッツ工科大学)で量子力学の修士号を得た。
語学力も国境も意に介さないこういした若い知性が、海外でも存分に腕を
ふるってきた様子が分かった。へえ、すごい時代だなと驚いた。
水の分子構造学、水の流体力学をしゃべらせると、
原論と実地の話を交えて、際限なく、楽しそうな話が続く。
(たぶん)学者なんていう範疇には入りきれない自由人なのだ。
ある水の分野の研究では、現代社会がよだれを出すような地点まで
到達したらしい。水にはすごい秘めごとがたくさんあるのよ
と目を輝かせる。

増川さんは長い欧米暮らしから日本に舞い戻り、
いっときビルやマンション暮らしをしていたが、
「これはたまらない」と、ある日、伊賀の山里の古民家にさっさと
引っ越した。「フローフォーム」という大規模な水の仕掛けのことも
初めて知った。これから名を上げるに違いない魅力的なお人です。

増川さんの紹介で、「流水紋」を制作する重富豪さんという方に会った。
何時間も川の流れに入って、墨をたらし、その墨を和紙に掬い取る――
それが流水紋だ。掬い取った流水紋の表情は千差万別で、一枚とて同じ
模様はない。これがおもしろくて、本業はダイアモンドの研磨で世界的に
著名な人なのだが、25年間も水に浸かりっぱなしという。
この二人を、僕は勝手に「水の伝道師」と呼んだ。
 
ところが話がどんどん進み、もう一人、水の伝道師に出会った。
京都・清水寺の貫主(かんす、と読む)・森清範さんである。
年末になると、いつも大きな筆でその年を象徴する一文字を書く人だ。
この方も水を語らせたら際限がない。観音様の化身した姿が水だと、
水を守り伝えてきた御仁である。

つまり水についてのうんちくを持った人たちが一堂に会したというわけだ。
“水の伝道師”の集まりである。

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「水は知的生命体である」という本
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話はなぜかとんとん拍子に進んで、三人が、水について思いの丈を語り、
それを本にしようというところまで進展した。
それが「水は知的生命体である」というタイトルの本である。
おもしろい話がボンボン出てきた。
増川さんはアメリカ仕込みの最新の水論議をぶちまける。
重富さんは、水は光だという。光はすなわち命だという。流水紋の制作に、
日がな一日没頭して、我を忘れていて、そのことに気づいたのだという。
森貫主は、清水寺のご本尊は観音様、観音様は、かの地を流れる
「音羽の滝」から流れ出る水の化身なのだとおっしゃる。水の化身のような
お坊さんである。
たぶん、これまでの「水」論をはるかに凌駕した水論となった。

(その一節から)
重富――科学者である増川さんが「水に意思がある」とおっしゃる。
科学者がそういう言葉を使うのかなと、非常に興味をそそられますね。
増川――水に意思や意識が存在していることはたしかだと思います。
まず第一に、球体をつくりたがる。これが一番顕著な水の性質です。
水分たっぷりの果物、ぶどう、みかん、りんご、梨など、みな丸いですね。
完全球でないのは地球上に引力が存在しているからで、宇宙飛行中の
無重力の船内では、水が美しい球体で浮いている実験をしていましたね。
 二つ目は、曲がりたがる。川の流れも、人間の手が加えられていない
活力のある上流では蛇行しています。
 三つ目は、命を育む、または構成化する。
 水がなければどんなものも形になりません。
森――なるほど。いま意思とおっしゃいましたが、われわれ仏教のほうでは
それを、すべてのものに神仏が宿ると言っていますね。
増川――その宿るということが、「意識」や「周波数」と同じ感じですね。
森――全宇宙のエネルギーが命という形で水の中に宿る。その命を別の
言葉では、「仏」と言ったり、「神」と言ったりする。
私はそう考えているのです。
増川――私は、長い間水の研究をやってきた経験から、水そのものが
命と直結していると感じています。非常に不可思議で、まだまだ神秘的
です。――(本文より)

水の科学者、宗教家、そしてアーティスト――。
シュタイナーは
「宗教と科学と芸術は同心円上にある」
と言ったそうです。
緊張感あふれるいい鼎談になりました。
よろしければ手に取ってみて下さい。
できればぜひ読んでほしいと思います。
この本は、3月23日過ぎに店頭に並ぶ予定です。
詳しくは http://www.fuun-sha.co.jp/

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                           風雲斎 2009.3.24