ボロボロになった覇権国家(アメリカ)
次を狙う列強の野望と日本の選択
北野幸伯

ボロボロになった覇権国家

売切れ

発行年月日:2005/01
サイズ:四六版上製
ページ数:237
コード: ISBN4-938939-35-5
定価:(本体1,500円+税)

本書の内容

アメリカは、テロ支援・核開発を理由にイランを攻める。
アルカイダ支援を理由にサウジを攻める。
そして、このプロセスのどこかでイスラエルが参戦する。
そして、米・イスラエル対中東イスラムの大戦争が勃発
するのです。
アメリカは戦争をしなければ没落する。
だから戦争が続くことは不可避なのだ。

-本文より

ロシア政治経済ジャーナル ⇒ http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
ロシア情報ステーション ⇒ http://www.russigator.ru/

目次

[第1章] ボロボロになったアメリカ
[第2章] ドルからユーロへ
[第3章] 中国の台頭
[第4章] オイル戦争
[第5章] 天領日本の未来         など

読者の声

●非常にわかりやすいし、面白い!(25才・フリーター)

●これ1冊で各国の事情がだいたいわかる。(37才・書店店員)

●台湾に2年ばかり居て最近帰ってきたばかりなのですが、台湾の置かれている状況をしって非常に興味深かった。(42才・会社役員)

●ぐいぐい引っ張っていく。隅々まで読みたい。(20才・大学生)

●一晩で読んだ、面白かった!(26才・イラストレーター)

●一気に読んだ。凄い内容だね。(62才・広告会社)

●いやあ、読ませてくれるね。この人は伸びるね。(39才・商社マン)

●この内容を中国、韓国の人にも伝えたい。(46才・会社経営者)

書評、推薦文

■「阿修羅♪」HPにて紹介されました。
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html

■「一日一冊:人生の智恵」HPにてご紹介されました。
http://www.asahi-net.or.jp/~mn8t-nhny/books-world

■「Naotaka Uzawa For Future Reference」HPにてご紹介されました。
http://naotaka.main.jp/archives/2005/02/post_8.html

ダイジェスト版

私がこの本で皆さんにお伝えしたかったのは、かつて世界の半分を支配した共産主義陣営ピラミッドのトップが、アメリカピラミッドをどのように見ているかについてです。彼らは、この世の裏も表も知り尽くしています。そして、世界で起こるさまざまな事件の裏にある真の動機を知っている。
この本を読むことで、モスクワ・クレムリンでは、この世界をどのように見ているのかを理解することができるでしょう。
それは、今まで知らない間に、「情報を受け取る側」に入れられていた私たちが、「情報を流す側」の真実を知ることでもあります。なにより、情報の源と下流では、その内容がまったく異なっているのですから。

この本で何がわかるのか……私が意図したことは次のようなことです。
第1章では、覇権国家アメリカの現状。
第2章では、ドルを蹴落とし、ユーロを基軸通貨にしようともくろむEUの戦略。
第3章では、次の覇権国家を目指す中国の動向。
第4章では、石油を武器に影響力を増すロシアの戦略。
第5章では、これから起こる戦争で、日本はどのように対応していくべきかについて。

では、真実の扉を開けてみましょう。そのむこうには、日本の皆さんが慣れてしまっている「平和で豊かな世界」とはまったく異なる世界が広がっています。

- 《まえがき》 真実はどこにある? より抜粋 -
誰でもわかる例を挙げておきましょう。
クリントンの時代、世界は非常に平和でした。なぜかといえば、アメリカがそれを望んだから。この時代にテロリストはいなかったのでしょうか? もちろんいました。  ブッシュの時代になって、戦争があたり前の世の中になった。
いったい何が変わったのでしょうか?

そう、アメリカの大統領がクリントンからブッシュになったこと以外に、何も変わったことはないのです。
では、なぜアメリカは、嘘をついてまで戦争がしたいのですか?
ボロボロなんです。
「え?」
ボロボロなんです。
「何が?」
アメリカが。
「は???」
もっとはっきり言いましょう。
アメリカは、戦争をしないと覇権国家から転落してしまう運命にあるのです。
今は何のことかわからなくても、読み進むうちに徐々にわかってきます。

- 《第1章》 ボロボロになったアメリカ より抜粋 -
2000年9月24日。
ある無謀な男が、覇権国家米国に、たった一人で戦いを挑んだ。
その男の名は、サダム・フセイン。ご存じ、イラクの独裁者である。
「アメリカに戦いを挑んだのは2000年の9月ではなく、2001年の9月ではないか?」
「戦いを挑んだのは、フセインではなく、ビンラディンなのでは?」
それは表向きの歴史。
実をいうと、フセインは、ビンラディンのアルカイダが米国で同時テロを起こす前に、それよりも何倍も大きな爆弾を、米国に落としていたのです。とは言っても、これは比喩で、爆弾そのものを落としたわけではないのですが。
では、爆弾(比喩)の意味は何か?
イラク(原油埋蔵量世界2位)の大統領サダム・フセインは2000年9月24日、「石油代金として今後一切ドルを受取らない」と宣言したのです。

では、何を決済通貨にするのでしょうか。
ユーロ。

将来、ユーロはドルに代わって基軸通貨になる。

その時、アメリカは「ただの大国」になる。

- 《第2章》 ドルからユーロへ より抜粋 -
アメリカは、テロ支援・核開発を理由にイランを攻める。アルカイダ支援を理由にサウジを攻める。
そして、このプロセスのどこかでイスラエルが参戦します。
イスラエルは、領土を減らすだけの中東和平など望んでいない。
しかし、アメリカ抜きで中東イスラムと戦えば、国際社会が許さないし、勝ったとしても多くの犠牲が出る。
イスラエルは、覇権国家の地位を守りたい潜在破産国家アメリカがイラン・サウジを攻撃するのに乗じて、中東イスラムに宣戦を布告するでしょう。
そして、米・イスラエル対中東イスラムの大戦争が勃発するのです。

(中略)

この目的を達成するためには、共産中国の政権を転覆させ、新たな民主政権を樹立させる必要があります。
「そんなバカな!」
まあ、夢物語だと思って聞いてください。
アメリカはいつそれを起こすのでしょうか?
まず2005~2010年。
この時期は、中東大戦争が続いていて、アメリカは忙しい。
2008年の北京オリンピック・2010年の上海万博を控えた中国も忙しい。
しかし、あまり米中戦争の時期が遅すぎると、中国がどんどん強力になってしまう。
2010年に中国は既に世界第3の経済大国になっているでしょう。2020年には日本を追い抜きます。このように中国は先へいけばいくほど、強力になるのに対し、アメリカは、中東大戦争で疲弊し、赤字は雪だるま式に増え、どんどん苦しくなっていく。
そう考えると、中東大戦争の直後に戦争を起こさなければならない。
それはどのように起こるのでしょうか?
まず、2008年・2010年の国家的ビックイベントを終える中国。これは、経済を引っ張ってきた建設ブームが終わることも示しています。
戦争特需の後に不景気が来るように、オリンピック特需の後にも景気後退期がやってくる。
アメリカが狙うのはこの時です。

- 《第5章》 天領日本の未来 より抜粋 -

編集担当より

著者北野幸伯さんは信州松本生まれ。ロシアに留学し、ソ連の崩壊を肌で体験し、プーチン大統領による再建をじっと見てきた青年です。五年に一度ぐらいはお里帰りをするそうですが、日本を客観視するという意味では、絶好のアウトサイダーかもしれません。
首根っこまでアメリカの情報漬けになった日本人には、はっとさせられる指摘が多く、“これ一冊で国際情勢の真実が手に取るようにわかる”本となりました。日本ではこうした全体像を知る情報はなかなか入手できませんから。
それだけではありません。北野さんのユニークさは、複雑な国際関係をナタで叩き切り、小刀でディティールを腑分けするデッサン力が優れていることでしょう。
この本の急所は、米国のイラン・サウジへのさらなる侵略(オイル確保のため)、急追する中国を叩きつぶす米中戦争(覇権争い)の予測など、「世界はこう動いているんだよ」と分析した部分。
こうした構図を提示されると、もやもや霧が晴れて、先行きがさっと見えます。
アメリカの無法にいらいらしている国民としては、“目から鱗が落ちる”一冊となりました。

著者略歴

北野 幸伯(きたの・よしのり)

国際関係アナリスト

1970年長野県松本市に生まれる。
松本深志高校卒後、ロシア留学。

1996年、日本人初のロシア外務省付属モスクワ国際関係大学を卒業。

政治学修士。卒業と同時にカルムイキヤ自治共和国大統領顧問に就任。

1999年4月、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を創刊。
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm

同年12月、HP「ロシア情報ステーション」を開設。
http://www.russigator.ru/

2003年9月、プーチン大統領の元ブレーンとともに、日ロビジネス・コンサルティング会社
IMT(International Most Trading Ltd.)を設立。
日本人が安心してロシアに進出できる環境を整えるコンサル業務に従事している。