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風雲斎のひとりごと No.7 (2007.2.5)
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真冬の星空がきれいだ。
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ここ半年ほど、ずっと星空を見上げている。
真冬のこの時期、やはりオリオンがいい。
オリオンを起点に、「冬の大三角」を探す。
オリオンの左下のペテルギウスから、プロキオン(こいぬ座)、そしてシリウス(おおいぬ座)を結ぶ逆三角形が「冬の大三角」。ほぼ正三角形の端正な姿を、八時ごろから南の空にくっきり見せてくれる。三角を形成する星のなかでも、シリウスが何ともきれいだ。全天一明るく、まるでこちらの心を射るように、青白い、妖しい光を放つ。

「大三角」を上辺に拡大する。
シリウス――プロキオン――ボルックス(ふたご座)――カペラ(ぎょしゃ座)――アルデバラン(おうし座)――リゲル(オリオン座)の六つの点を結ぶ。それが「冬の大六角形」だ。

三角と六角を眺めているだけでも、数時間があっという間に経つ。やがて彼らが回転しながらどんどん西へ移動する。ステージをほかの星に譲った夜中の2時ごろ、北斗七星がくっきりと出現し、定位置に北極星が鎮座している。

星が移動する――というより、地球が東へ東へと自転しているのか。
オリオンが西の山並みに消えるころ(3時半ぐらい)まで、寒空の下(車のなかで)、じっと星の運行を眺めていると、なにか異次元空間に居るように感じる。そう、この瞬間、僕は、地球という星にへばりつく一匹の生き物となって、宇宙空間にいる。

星がこれほど魅了するものとは驚きだった。小学生の時分にでもこの魅力を知っていたら、僕は天文学を志しただろうな。宇宙をバックにした大オペラが、かくも夜ごと、しずしずと上演されているとは!! 見事だ、荘厳だ。

小林正観さんと星の話をしていたら、「僕の生まれ故郷はプレアデスです」という。
詳しく話を聞きそびれたが、プレアデス=故郷と言う人がけっこう多い。むろんシリウスも、ベガも。でも僕にとっては、やはり『アセンションの時代』という本の影響が決定的だった。あの本を読んで以来、「そうか、あれがプレアデスか」と、明確にインプットされ、スターウオッチングがスタートしたのだった。

これからが旬、スターウオッチングはまだまだ続きそうだ。寝不足も—-。

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迫登茂子さんという方のこと。
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ずっと集中していたもうひとつの対象が、迫登茂子(さこ・ともこ)さん。
彼女は20年ほど前に不思議な体験をした。そのときの印象を彼女はこう書く、
「上から光が一杯入ってきた。はみ出した光で全身が包まれた! 私は変わった!」

以来、彼女の身のまわりに不思議な出来事が続き、天理教の中山みきさん、大本教の出口なおさんのように、不思議な人生を送るようになった。つまり、神の意思の取り継ぎをするようになった。

お取り継ぎの内容は、天変地異から友人たちの悩み事にまで及び、その真実性、正確さには、誰もがびっくりした。

といえば、おどろおどろしい霊能者を想像しがちだが、実は、笑顔のまぶしい、七十五歳のすてきな家庭のおばさん。僕にとっては、亡きおふくろ代わりのような存在。この人の側にいると、鎧や裃を脱ぎ捨て、素直になれて、心が安らぐから。

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みんないい人ね。
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この人の口癖が、「みんないい人ね」
最初僕は、「冗談じゃない、みんないい人なんかじゃない」と文句を言った。
編集者という職業柄、ろくでもない、たちの悪い、下衆で、いやな、頭の悪い、傲慢な連中(僕そのものだった!)との付き合いが長く、「こいつだけは許せない」というやつが何人もいた。

ニコニコ僕の話を聞きながら、彼女はこういった、
「でもね、一人ずつ許していくのよ」

迫さんに一冊書いてくださいとお願いし、やっと願いがかなって、去年の夏以来、毎週、小金井市の閑静な住宅地にある迫家に押しかけた。この間、僕は彼女の想念を聞き取り、心のうちを垣間見、「みんないい人ね」のルーツを知った。

あなたがこだわっている、名誉、肩書き、金、権力、美醜、そうしたものはひと皮剥けば、どうでもいいことでしょう。本当はみんないい人なのね……というわけだ。
もっと曇りのない心で、人も花も見たら、と。

おりしも、かつてのいやな上司Aが危篤という知らせが入った。
「山平さん、いつまでもそんな気持ちでいないで、お別れしたら……」
と、誘ってくれたのが、アニメ会社の社長をしている昔の仕事仲間だった。
彼と、彼のボスらと一緒に見舞いに行った。Aさんは、昏睡状態だった。
ふっくらと、いい顔だった。

一週間後、亡くなった。
僕は、「いろいろ鍛えてくれて、ありがとうございます」
とお礼を申し上げ、お別れした。

通夜の三日後、夢を見た。
場面は、かつて勤務していた会社。なぜか会社中に水で溢れ、書物も、原稿も、上着も、財布も、人も、どんどん流されていく。おーい、待ってくれと叫んでも、何もかも、ぜんぶ流れていった。
水浸しの感覚が残り、寒さで目が覚めた。何だろう?

困ったときには、迫登茂子さんに倣う癖がついている。
「うらみもつらみも、みんなさらっと流しなさい」
との意味だと気が付いた。

僕自身が、今後、みんないい人ねと言えるか……?

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迫さんのご本、ご一読を。
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そんな次第で、やっと迫さんのご本が出来上がる。

天意を取り継ぐことになった一主婦の不思議な不思議な物語
『みんないい人ね』――曇りのない心で生きる――
迫登茂子著 定価(本体1600円+税)
いい一冊になった、と思います。ご一読下さい。
http://www.fuun-sha.co.jp/
彼女が天啓を受けた記念の日、2月11日に発売です。

(今月のおまけ)
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天外伺朗さんの講演会。
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天外伺朗さんが主宰する「ホロトロピック・ネットワーク」から講演会のお知らせです(ここは仲良しなので、ときどきこうした合い乗りをしています)。

◎ホロトロピック・セミナーのご案内
2007年2月25日(日曜日)
場所/日本消防会館ニッショーホール(東京・虎ノ門)
講演者:五木寛之さん「こころの風景」
対本宗訓さん「無畏の誓願」
船戸崇史さん「今を生きる」
天外伺朗さん「死と直面するということ」
ピアノソロ/ウォン・ウィンツァンさん

詳細は下記です。どうぞご参照下さい。
http://www.holotropic-net.org/activity/schedule/2007/20070225.htm
(お問い合わせは)
ホロトロピック・ネットワーク事務局
e-mail:info@holotropic-net.org

今月はちょっと長くなりました。ありがとうございます。
風雲斎(2007・2・5)