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風雲斎のひとりごと No.73(2017.12.18)
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このメールマガジンは、これまで風雲舎とご縁のあった方々に発信して
おります。よろしければご一瞥下さい。ご不要の方は、お手数ですが
その旨ご一報下さい。送信リストから外します。

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菩薩行をするご婦人
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わが社はビルの5階にあります。
道路一本隔てた向かいのビルに、青木紀代美さんという知人がいます。
「青木さーん」と呼びかけると、「なーに」と返ってくる距離。

彼女の関心は、最初牛乳でした。
初めて授かったひとり息子が1700グラムの未熟児だったので、
なんとか健やかに育てたいと、安全安心な、いい牛乳探しに奔走します。
そこからさらに、米、味噌、醤油、有精卵、野菜など、まっとうな食べ
ものを求め、長い旅を続けてきました。こうして、ろくでもない食べもの
と、いいものの違いを熟知するようになりました。食の目利きといえる
でしょう。
彼女のおかげで、ぼくの食生活もずいぶん変わりました。
いや、人生へのスタンスが、というべきでしょうか。

それだけでありません。
彼女は手を当てることで、人を癒す達人です。
ノーベル賞学者、著名な映画監督から普通の人に至るまで、何千人
と手を当ててきました。
お代は取らない。
呼ばれれば、九州だろうが北海道だろうが、出向く。
見ず知らずの人にじっと手を当てます。
”菩薩のような人“との声も耳にします。

よくまあ、そんなお金にならないようなことばかりやって……
こういう人がまだこの世に生きているんだと感激したぼくは、
「一冊書いてください」と原稿を依頼しました。

ある日、七沢賢治さんという人が彼女と一緒にわが社にやってきました。
「伯家神道」という古神道の秘儀を伝授されたご当人です。
毎朝、大祓の詞を唱え、その一つひとつの詞の意味を「言霊学」として
確立しました。毎日唱えることで、日々積もった雑念や感情を洗い流し、
自分の気持ちをゼロにするのだそうです。
そういう行を繰り返すことで、おごり、驕慢の感情をゼロに戻し、
何より、謙虚であることを学ぶのだそうです。

チラッとぼくに一瞥をくれたその眼力に、ぼくは「あ、叩き斬られた!」
と感じました。ただ者ではない。ひと目で相手を見破る、おっかない人。
「青木さんってどういう人ですか?」とお尋ねすると、答えは簡単明瞭。
「彼女は菩薩行をやっているんです。この情報化社会の中で最も稀有な
存在。現代に生きる菩薩です」と。

……そうだったの!
凡夫にも、やっと青木さんの本質がわかりました。

というわけで青木紀代美著『食に添う 人に添う』がギリギリ年末
に完成。ほっと一息ついています。
今年ほぼ一年間、こうして菩薩さまと幸せな時間を過ごしました。
ありがたいことです。
来年はいいことがあるかもしれません。
本書の詳細はこちらへ。http://www.fuun-sha.co.jp/

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『ぼくはエネルギー体である』という青年
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神原康弥君は、いま26歳。
動けない、しゃべれない、
2歳のころ、脳症と診断され、以来、そうなりました。
でも天上からの声を聴くことができる青年。

でも“指談”というコミュニケーション方法で、自分の意思を伝えられ
るようになりました。“指談の詩人”と呼ばれることも。

幼い頃は、その辺にうろうろしている浮遊霊と遊び、
散歩道沿いの木々の精霊や、
草花の妖精たちと会話していました。
宇宙から降りてくるエネルギー、
桜やクヌギから発せられるエネルギー、
小さな花々からのエネルギー、
それらが自分の体の中に入ってきました。

前世の記憶もよみがえってきました。

だんだん人の気持ちがわかるようになりました。
相手の言葉ではなく、魂の声を聴くようになったからです。
魂との対話――リーディングもできるようになりました。

やがて宇宙意識体と出会い、
ベッドから抜け出て、時空を超え、
彼の意識は宇宙に向かいます。
そして宇宙根源と出会うようになって、
「おまえにはおまえの役がある」と告げられたそうです。

こういう人がとても増えているようです。
面白い世の中になりそうです。
(神原康弥著『ぼくはエネルギー体である』は、来春発売の予定です)

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井深大さんから神原康弥君のあいだ
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こういう世界のことを教えてくださったのは、ソニーの井深さんで
した。ぼくが、お金の儲け方や、外国語に強くなる、知識を広げる、
出世する――そういう目先のテーマを彼に向かって話すと、井深さん
はケタケタ笑って、「もうちょっとその奥にある、気とか、意識とか、
物事の本質のところを考えてごらん」と、やんわり馬鹿な編集者を
たしなめてくださったものです。「パラダイム・シフト」(物事の基準
を考え直せ)とよく言われました。30年ほど前のことです。

それ以来、船井幸雄、政木和三、小林正観、天外伺朗、帯津良一、
ホゼ・アグエイアス、迫登茂子、岡田多母、バーバラ・マーシニアック
――などの先生方を知り、その道の本を編集してきました。井深門下
の佐古曜一郎氏と出会ったのも同じ時期です。古今東西のすべてに
通暁し、近未来の事物をじっと見据えていた鬼才です。

古い会社に在籍していたころは、こういう方々の本を出版しようとする
と抵抗が大きく、「そんな怪しげな連中の本はいらない」と叱られま
した。

アセンションと騒がれたころが境目だったでしょうか、堰を切った
ようにワァーと、その道の百花斉放です。

井深さんが亡くなって20年。
神原康弥君は26歳。
その間をぼくはうろうろしていたことになります。
どんな世の中になるのか、わくわくしています。
新しい年が始まります。
みなさん、いいお年を。(今号終わり)