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風雲斎のひとりごと No.43(2013.6.8)
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このメールマガジンは、これまで風雲舎とご縁のあった方々に発信して
おります。よろしければご一瞥下さい。ご不要の方は、お手数ですが
その旨ご一報下さい。送信リストから外します。

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(1) ある夜の出来事
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3月末、夜9時ごろの池袋駅3番ホーム。
ここは高崎、宇都宮行きなどの中距離電車の発着ホーム。
ぼくは帰宅時の混雑がイヤで、疲れているとき、一杯機嫌の
ときには、ときどきグリーン車を利用する。贅沢といえば
贅沢だが、ぼくにとっては数少ない贅沢のひとつ。
この夜も、友人と飲んだあとのほろ酔い機嫌。泥酔ではない。
グリーン車の乗り口のあるところまで歩いていくと、向こう
からやってきた男がすれ違いざまに僕の右腹に一撃をくれた。
ひじ打ちというヤツであろう。
「なんだ?」と叫ぼうとしたが、あまりの激痛にひと言も発
せられない。「ななな……」とうめいて、倒れ込み、悶絶。
数分間、気を失っていたらしい。

ほんの一瞬だがすれ違った相手の顔は忘れようもない。大人し
そうな、5分刈り。リュックを背負い、メガネをかけた、まじ
めな銀行員風サラリーマン。あの顔は親の仇ではない。憎悪を
投げ合った因縁ある仇敵でもない。しいて言えば、道場稽古の
帰りに、習った技を使ってみたという感じ。
そのひじ打ちがものの見事に効いた。一発でノックアウト。
60年安保の闘士も形なしである。
数分後、110番でおまわりさんを呼び、あたりを探したが、
あいつがいるはずもない。防犯カメラはと聞いても、その視角
に設置していないということで役に立たなかった。

それにしてもどういうご時世なんだろう。
不意打ちも不意打ち、通りすがりの一撃である。
あれは手練れの一撃である。
恨みを持つ誰かの仕業とも思えない。
政敵が放った刺客とも思えない。
こちらはそれほどの玉でもない。

そういえばある夜のグリーン車ではこんなことがあった。
二人掛けのシートの隣席のおやじが、読書をしていてページを
めくるこちらの腕の動きが「とても気になる」と文句をつけて
きた。神経に触るというのだ。これには唖然。
みんな神経がささくれ立ってイライラ、ピリピリしている。

ちなみに、すれ違いざまの一撃について、愛魂上げの師・保江
先生に尋ねてみた。
先生のお言葉は「向こうからやってくる人間が視界に入った瞬間
から愛魂をかけなさい」と。ある日のお稽古ではそれを実演して
見せてくれた。

軟弱な風雲斎が実行してみると、なるほど衝撃は見事に吸収され
る。こちらが愛を放ちながらすれ違うと、相手のひじ打ちの一撃が
10分の1ほどに激減する。これでは悶絶することもないだろう。
自衛するしかないご時世なのだろうか。
ある識者の言によれば、こうした蛮行が多くなっているとのこと。
得体のしれない、おかしな世の中になったもんだ。

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(2) 気功をとり入れた整形外科医
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以前、ここである整形外科医のことを書いたことがある。
小坂正先生という、自分の治療に気功をとり入れたお医者さん
(No.41(2012.12.09))。この人が、身体の痛みなんてすぐ治る。
治らないのがおかしい。人間の身体は治るようにできている、
とすごいことをポンポン言っていたから、気になっていたのだ。
ぼくは椎間板ヘルニアで苦しんだ歴戦の腰痛患者。聞き捨てになら
ない、とずっと彼の主張とその実績を追っかけ、やっと一冊の本が
できた。

まず実行したのが、自分を含め、痛んでいる友人たち15人ほどを
治療してもらったこと。足、腰、肩が痛いという人はごまんといる。
左手が肩から上にあがらないという60代の主婦。
両足の痛み・しびれ、腰の痛みで夜も眠れないという建築屋さん。
膝の皿がおかしくなって歩行困難だという古い友人。
ある気功で身体のエネルギーバランスが崩れたという68歳の男性。
脊柱管狭窄症と言われて困っていた50代の主婦。
脳梗塞後のリハビリの遅々たる進捗に悩んでいた同年輩の友。
椎間板ヘルニアと診断されて治療を受けたがちっともよくなら
なったという人。そういう人たちの腰痛、肩の痛み、手の痛み、
膝の痛み–みんな驚くほど、良くなった。僕のズキズキする
左足、頸の痛みも見事に消えた。

先生はある時期までは、単なる一整形外科医だった。
もっと早く、もっと良く治せる方法はないか、とそこで学んだの
が気功だった。気功をマスターしてそれを治療に取り入れてみる
と、治癒するケースが飛躍的に増え、治療の質がアップした。
気功をとり入れた整形外科医なんて、たぶんこの先生が初めて
ではないだろうか。

気功を学んで半年後、とんでもない事件が待っていた。
腰椎麻痺の患者を回復させてしまったのだ。ある大学病院で
「脊髄梗塞、下半身麻痺、治療法なし」と宣告された患者を、
先生は気功治療で、この患者を立ち上がらせ、回復させてしまっ
た。この人はしゃんと立ち、歩き、杖をつき、やがて休業して
いた料理店を再開させた。朱さんという中華料理店のオーナー
シェフさん。今この人はピンピン元気に働いている。

「気功はすごい!」
先生は気功にのめり込み、以来八年間、気功診療に特化した。
その結果の一例が上記のぼくの友人たちの改善・全快である。
腰痛や膝痛などの身体の痛み–これは整形外科に通っても治らない
というのは、たぶん庶民の常識である。それゆえその他の治療施設
が町にあふれている。「それはおれたち医者の責任でもある」と
先生は言う。
ちなみにぼくは、「では先生、ぼくの最大の悩み・糖尿病を治して」
と無理を承知でお願いし、週に一度のペースで気功診療を続けてい
る。うまくいったらその時はまた大々的に報告します。
こういうひたむきな、なんとか治してやろうという医師にめぐり
会えたことに感謝します。

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『身体の痛みを取るには気功がいい!』
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という本です。
小坂正著(風雲舎)【http://www.fuun-sha.co.jp/】

よろしければご一瞥ください。本当に困っている方にお役に
立つかもしれません。

ありがとうございます。(今号終わり)