がんと告げられたら、ホリスティック医学でやってみませんか。
帯津良一

がんと告げられたら、ホリスティック医学でやってみませんか。

ホリスティック医学は、西洋医学だけでなく、漢方薬や気功、食事療法やイメージ療法、ホメオパシーやサプリメントなどの代替療法も取り入れ、自然治癒力を高めていこうという考えです。だから「もう打つ手がない」ということはないのです。極論すれば、打つ手はいくらでもあるのです。希望を捨てることはありません。

「このちがいは大きい。そのうち生命力が復活するかもしれない。
朗報が来るかもしれない。諦めることはない、だから希望を捨てるな。
極論すれば、打つ手はいくらでもある――」(著者)

著者:帯津良一(帯津三敬病院名誉院長)
発行年月日:2011年7月
コード:ISBN978-4-938939-65-6
四六判並製 240ページ

定価(本体1,500円+税)

本書の内容

がんという病気は、腫瘍のできた部位や進行具合にもよりますが、手術をすることによって 呆気なく治ってしまうこともあります。手術しにくい患部であっても、放射線の照射や抗がん 剤の投与によって治療することができます。西洋医学にはそれだけの力と実績があります。 ですから最近は、昔のように「がん」=「死に至る病」という等式で、がんを怖れる患者さん はずいぶん少なくなってきました。

その一方、なかなか五年生存率は上がらないし、一度はがんを克服しながらも再発する 患者さんも珍しくはない、という現実もあります。その理由は、がんが身体だけの病気では ないことがひとつ、もうひとつには再発を繰り返していると手術および放射線、抗がん剤と いう西洋医学の「三大療法」では対処しきれなくなってしまうことがあるからです。

西洋医学では手に負えなくなったとき、いまの医師はどういうかというと――「もう打つ手は ありません。緩和ケアに行ってください」――こうした冷たい言葉がほとんどです。「ほとんど」 とまではいわないにしても、そういう話はよく耳にします。そのため、いまの日本には”がん 難民”といわれる人が六、七十万人にものぼるといわれています。

では、そうした患者さんたちは、がんの罹患やがん再発を「みずからの運命」と諦めて受 容し、医師に命じられるがまま緩和ケアに行かなければならないのでしょうか?

そんなことはありません。絶対に、そんなことはありません。 「もう打つ手はない」といっても、それは、機械を修理するようにがんを治そうとする西洋医学においては打つ手がない、という意味にすぎないからです。

うちの病院にやってきていた脳外科の医師があるとき、 「そうか、帯津さんの病院では、がんを完治させることができないまでも、こうやって延命 させることができるんだ……」と、驚いたことがあります。西洋医学を駆使する、それでダ メなら代替療法でも何でも使う、その根っこにあるのが、患者さんの「場」の生命力を高め、 自然治癒力を上げること――なるほどなるほどと。

それは私にとっては当たり前のことなのです。がんはミステリアスな病気で、その真因 はまだ分かりません。もう打つ手がなくなったからとサジを投げるか、戦略を構築し直して こつこつ気長にやっていくか――このちがいは大きいのです。そのうち患者さんの生命力 が復活するかもしれません。朗報がくるかもしれません。諦めることはないのです。

本書の構成

(はじめに) 私の原点――西洋医学からホリスティック医学へ
第一章 がんに負けない!
第二章 ホリスティック医学とは
ホリスティック医学の勘どころ(1) 「場」の生命力を高める
ホリスティック医学の勘どころ(2) 自然治癒力を原点に置く
ホリスティック医学の勘どころ(3) 患者みずからが癒しの主役
ホリスティック医学の勘どころ(4) 治療法を統合、適切な方法をおこなう
ホリスティック医学の勘どころ(5) 病の深い意味に気づき、自己実現をめざす
第三章 〈からだ〉を治す
人はなぜがんになる?
がんになったら、いくらかかる?
がん治療1 手術
がん治療2 放射線
がん治療3 抗がん剤
再発をどう乗り越えるか
奇蹟的な生還を支えた数々の理由
第四章 〈こころ〉を癒す
第五章 〈いのち〉を高める
われわれの身体には「いのちの場」がある
〈いのち〉にはたらきかける代替療法
代替療法の選び方
第六章 死生観を築く

「著者略歴」

帯津良一(おびつ・りょういち)

1936年川越市生まれ。東京大学医学部卒業。外科医。東大病院、蒲原総合病院、都立駒込病院を経るなかで西洋医学の限界を痛感。身体のなかの点(臓器)ばかり見ていたのでは、「いのち」には届かないのではないか――との考えから、みずからの考えを実践する帯津三敬病院を開設。西洋医学をベースに中国医学(漢方、鍼灸、食養生、気功)を取り込み、代替療法を重視し、人間まるごとを見るホリスティック医学をめざす。一臨床医として、「修理工をやめて庭師になろう」「医療者は患者さんに悲しみを与えてはいけない」「今日より良い明日を」を標榜している。帯津三敬病院名誉院長。日本ホリスティック医学協会会長、日本ホメオパシー医学会理事長。『気功的人間になりませんか』『いい場を創ろう』『花粉症にはホメオパシーがいい』(いずれも小社刊)など著書多数。