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風雲斎のひとりごと No.68(2016.12.28)
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このメールマガジンは、これまで風雲舎とご縁のあった方々に発信して
おります。よろしければご一瞥下さい。ご不要の方は、お手数ですが
その旨ご一報下さい。送信リストから外します。

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ある忘年会
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12月10日。帯津三敬病院・患者会の忘年会。
川越市、帯津病院の近所にある大野さんの家です。
この会は帯津先生が主催する会ではありません。先生はお客さま。
病院の患者さんが勝手に作ったフリーな集まり、それが「患者会」。
ガン患者たちの勝手連です。この日は年に一度の忘年会。ぼくも
出席させてもらいました。三回目です。

何とも形容のしようがない、素晴らしい集会。同郷人の集まり、
はらから(兄弟)の集まり、戦友たちの集まりのような懐かしさ。
胸にキュときて、ひとりでに涙が流れるような忘年会です。
40人ほどの患者さん(元患者も今の患者も)が集まり、戦友として
の紐帯感でしょうか、「おう、元気だったか」と互いを報じ合い、
無事今日あることを確認しています。積もる話、伝えたい話が
いっぱいあります。豪華な大物のタイ、タラ鍋、それぞれが持ち
寄った珍味、そして酒がずらりと並び、帯津先生や院長らが中央
に陣取って、やあ、ようと声が飛び交います。みんなの顔が朱に
染まり、遠方からの参加者はそのまま大野家に泊まりです。

ぼくが帯津さんの病院に通うようになって、かれこれ20年前。
その間、多くの人間に出会いました。こんなすごい人がいたのかと
意識したのが上記の大野さんです。ドキッとしました。大野さん
もガン患者。20年ほど前にガンが見つかり、回りまわって帯津さ
んに診察してもらうことで、何かが変わったようです。活況を呈
していた自分の工場を閉じ、帯津三敬病院の職員になります。気功
道場で入院患者の面倒を見、希望する人に枇杷の葉温灸を施し、
遠くからくる人には自宅を宿として提供し、早朝気功という、
近くの、森のある湖畔に行くときには、彼の大型バンに患者さんを
乗せて大活躍です。

といって彼は先頭で旗を振るのは嫌い。先人、先輩を立て、いつも
一歩下がってひっそりわきにいるような人。荒げた声を出すこと
もなく、忘年会では駅との往復に忙しく、自分の席すらありません。
バリバリ自営の仕事をこなし、しっかり営業成績を上げていた彼が、
なぜこうした方向転換をしたのか、それが僕の疑問でした。

ガンの日々の後、たぶん彼は人生のコ-スを切り替えたのです。
自分から他人へ。自社を切り盛りして稼ぐことから、他人をお世話
することへ。生き方の方向転換です。奥さんの了解なしに、こんな
切り替えは不可能でしょう。忘年会では奥さんがくるくる忙しそう
に、かつ喜色を見せて立ち働いていました。

大野さんにぼくの印象を伝え、よかったら書いてみませんかと執筆
をお願いしました。ややあって、やってみましょうとのご返事です。
こういう人が増えている、生き方をチェンジする人が多くなった――
というのが風雲斎の予感です。来春、刊行の予定です。

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酒井さんの「セルフハグ」
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酒井滿さんは10年来の友人。ユングの潜在意識、シンクロニシテ
ィ―に没頭すること30年。一見学者風ですが学者ではありません。
あるネットワークビジネスの日本代表。

彼から、一杯やろうと電話がありました。保江邦夫さんの「愛魂上げ」
(あいきあげ)を経験するとこれが面白い。仲間相手にその経験を重
ね、『喜びの人生を生きる』を著したアニータ・ムアジャーニさんの
セミナーで「自分をハグしてごらん」と言われてやってみた。これま
た面白い。さらにみんなと実験した。すごいこと、奇跡のような事態
が頻発するのに気が付いた――というご仁。
『自分をハグする、奇蹟が始まる』(仮題)は5月ごろ発行します。

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青木紀代美さん
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目下風雲斎が集中しているのが、青木紀代美さんという、消費者運動
40年、「食と子供の命を守る会」の会長さん。ようやく生まれた一
人息子が1600グラムの未熟児。息子が飲める安全な牛乳、卵を求
め駆け回っているうちに、米、醤油味噌、野菜、水など、食卓に載せる
安全な食とは何か、どこで、どういう風に、誰が作っているかが見え
てきました。空気が劣化し、水が劣化し、土が劣化し、食が劣化する
中で、どう自分の食と命を守るかに明け暮れた奮戦記録。彼女のガ
イドで「まっとうな食」にたどり着くと、そうか、まだこんなにい
い食が残っていたんだとホッとします。春先に出版予定。

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これから出る本
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●『ぼくはこんなことを考えてきた』(七沢賢治+山崎佐弓)――言霊、
伯家神道、ロゴストロン、そして水へと続く鬼才の歩み。
●『脳梗塞を乗り越える』(金澤武道著)――脳疾患専門医のカナザワ
・シロップは、脳疾患を乗り越える画期的な療法。
●『100万回のありがとう』(工藤房江著)――小社既刊『遺伝子
スイッチ・オンの奇蹟』(5刷り)の続編。ロス、サンフランシスコ講
演と忙しくなっているようです。身の周りでは、またまた不思議なこ
とが起きているそうです。
●『オークビレッジが作った家』(上野英二著)――稲本正の後を継
いだ新社長のでっかい夢。生粋の飛騨っ子。古の匠の技に新感覚を与
え、よだれの出る家づくりを核に、オークビレッジは若返ります。
●並木良和さん、清水義久さんなどが続きます。

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ある絵描きのひと言
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某月某日、お世話になっている絵描きさんと一杯。同伴者がいます。
これも日本画の女性の絵描き。一時間ほど飲み食いして、緊張がほぐ
れると、ぼくの顔をじっと見て初対面の彼女が「……つまりエロ爺さ
んね」と一言。そこには侮蔑も愚弄もなく、感じたままを素直に口に
した印象。対象を一瞥して、そのエッセンスを見抜く――本質を衝い
ているだけに、絵描きは怖い。本年掉尾を飾る必殺の一言でした。

本年はこれが最終回です。
お世話様でした。どうぞよいお年を。ありがとうございます。
風雲斎(2016・12・28)